FEATURE 12

東京の街をリサーチする チームDCDTのオリエンテーション

DESCENDANTでは、ディレクターの西山徹と生産チームのスタッフによる東京の街歩きが恒例になっています。
渋谷や原宿をはじめ、その時々で都内の街へ繰り出し、ショップを見て回ったり、行き交う人々を観察したり、街の雰囲気に浸ってみたり……。次のシーズンへ向けたリサーチというよりも、街歩きという体験を共有するための一種のオリエンテーションです。

西山曰く「東京で育った自分の場合、東京の街から得てきたものが今の自分を形成しています。そもそも東京ではハイファッションとインディペンデントなショップが垣根なく共存したからこそ独特なミックスカルチャーが生まれ、その延長線上に裏原宿やストリートブランドが覚醒しました。
そんな東京の街をチームのみんなで散策し、人々の営みの中で培われたその街特有のカルチャーやスタイルを共に感じることで、モノづくりに対する考え方や感覚をシェアできればとの思いから始めたのがこのオリエンテーションです。」

今回は吉祥寺から始まり、高円寺、原宿まで一日中歩き回ってきました。「それぞれの街ごとにしっかりと個性があって、文化を発信する洋服や雑貨のショップ、純喫茶に象徴される飲食店、そこに集まる人々がその街の雰囲気を醸し出し、街のスタイルに一役買っています。街は世代交代で雰囲気やカタチを変えることもあれば、伝統を守ろうとするホームタウンプライドもあって、ブラっと見ているだけでも勉強になります。
もちろん、ただ見て回るだけでなく買い物もしています。むしろ、植草甚一さんのように何かを売っている場所でないと街歩きをする楽しみがありません。資料になるようなものだったり、出会いが全ての古着屋で見つけたものを友達へのお土産に買ったり。雑学を持って街を見て回ると、いろんなアイデアで買い物ができるので」

植草甚一さんとは、西山が街歩きの“先輩”として慕う人物。欧米文学、映画、ジャズの評論家として活躍する傍ら、1970年代の日本にサブカルチャーを普及させた功績で知られるクリエイターです。
「最初は父親から教えてもらい、植草さんの本を読みました。本の内容はもちろん、掲載されたコラージュや直筆の原稿などグラフィックにも感動しました。植草さんも東京出身で街歩きをライフワークとしていたんです。既に70年代の終わりにはお亡くなりになっていたので、実際にお会いしたことはありませんが、今の自分に多大な影響を与えてくれた大先輩であることは間違いありません」

街歩きを創作の糧にしていた植草さんと同一視はできないまでも、西山にとっても街歩きで得た感触や情報がモノづくりの発露になることは少なくないと言います。
訪れる度に新たな表情を見せる街、いつもと同じ景色の狭間に変化の兆しを見せる街……東京の街を巡って気づきを共有するとき、このオリエンテーションはその意義を全うします。たとえ成果が目に見えなくても、いつか何かのインスピレーションに繋がるものと信じて、チームDESCENDANTの街歩きは続きます。